繰り返し見る夢の意味と前世

ある方から、こんなご質問をいただきました。
「母は幼い頃から、崖から落ちる夢を何度も繰り返し見ていたそうです。落ちるときにはものすごく嫌な気持ちがたそうです。しかし、結婚して私を出産してからは、一度もその夢を見なくなったのです。これはどんな意味があるのでしょうか?」
夢というのは、潜在意識や魂の記憶とつながる窓でもあります。
特に「繰り返し見る夢」には、前世の影響が反映していることが少なくありません。
人は、過去世で体験したことを深く魂に刻み込みます。
なかでも「亡くなり方」の記憶は強烈で、今世の恐怖症や夢となって表れることがあります。
たとえば、私が見たケースでは、前世で水に溺れて命を落とした方は、水に対して強い恐怖を感じたり、水に関する悪夢を繰り返し見ることがあります。
高い場所から落下して亡くなった経験を持つ方は、高所恐怖症として現れたり、落ちる夢を見ることがあるのです。
私が見てきたケースには、戦争中に飛行機の攻撃で亡くなられた方がいて、その方は繰り返し飛行機に追われる夢を見ておられました。
夢は魂からのシグナルであり、まだ癒やしきれていない前世の記憶を映し出すのです。
今回のご相談の「崖から落ちる夢」も、前世での亡くなり方とつながっている可能性があります。
妊婦のまま崖から身を投げるような体験をされ、その無念さが魂に刻まれていたのでしょう。
ところが、今世でお子さんを出産したことで、魂に深い癒やしが訪れました。
前世で果たせなかった「子を抱く」という願いを、今世でようやく成し遂げることができたのです。
そのとき、魂は安堵し、夢に現れる必要がなくなったのでしょう。
ご質問には「戦争と関係があるのでしょうか?」という点もありました。
確かに、第二次世界大戦では多くの方が追い詰められ、崖から命を落とすという悲劇を経験されています。
サイパン島の「バンザイクリフ」はその象徴です。
そこは多くの日本人が米軍に追い詰められ、万歳と叫びながら亡くなられた場所です。
こうした強い集団的な霊的傷は、時代を超えて人々の心に影響を及ぼすことがあります。
同じような体験を共有した魂同士は、時空を超えて霊的につながりやすくなるのです。
崖から落ちる夢は、個人の前世体験であると同時に、多くの魂の集合記憶とも共鳴していたのかもしれません。
出産によって母としての喜びを得た瞬間、前世での無念は昇華され、魂は新しいステージに進むことができました。
夢を見なくなったのは、まさに「前世のトラウマの癒やし」を意味しています。
人は誰もが、見えないところで過去の記憶や魂の約束を背負っています。
夢はそれを映し出し、やがて癒やしが訪れると自然と消えていきます。
ですから、恐ろしい夢にも実は深い意味があり、そこには魂の成長のプロセスが隠されているのです。